消しゴムはんこの作り方を考えてみる

最近、スティッカム消しゴムはんこを作っている様子を配信し始めました。
時々言われる言葉として、

  • 難しそう
  • 器用ですね
  • 自分もやってみたい

といったものがありました。
ほんっとに彫ってて楽しいので、是非ともチャレンジしてみてください!とは言うものの、
「できそうにない」「どうやっていいのか分からない」など、
あと一歩が踏み出せない人が多そうな感触を受けたので、
せっかくなので自分なりの作り方や注意した方がよい点などを書いてみたいと思います。
(本当は、はてな記法やらデザインやら、いっぱい知ったり変更したりして、嬉しくて記事が書きたかっただけだよ!)
彫り始めて1ヶ月のにわかなので、あんまり当てにしすぎないでください。

用意するもの

  1. 消しゴム
  2. スタンプインク
  3. デザインナイフ
  4. カッティングマット
  5. 爪楊枝(つまようじ)
  6. 元の絵
  7. 1時間〜3時間ほどの集中力と体力
● 消しゴム

どんな消しゴムでも大丈夫、というわけではありません。
理想は、それなりに硬く もろくなく(頑丈で) インクののりがいいものです。
柔らかいと、彫りづらいです。
もろいと、細かい部分が彫りづらいです。また、ハンコとして使ううちに崩れかねません。
インクののりが悪いと、インク部分が多い場合に綺麗に写りません。
自分自身は MONO消しゴムダイソーのスタンプ用消しゴム しか使ったことありませんが、
素直にスタンプ用消しゴムを買うのがよいと思います。

↑こんなやつが1個100円で売られてます。
(ただし、売り切れの場合も多いみたいです。たくさん彫る場合は買い溜めするのも手です。)

● スタンプインク

自分はダイソーで売っている100円のスタンプインクを使っています。
(他にもいいものがあるよ!という方は教えてください。あまり知りません。)
ポイントは、インクがダクダクでなく、細かい隙間などに入り込まないタイプのものです。
(朱肉では若干怖いかもしれません。)


↑これもダイソーで1個100円で売られています。

● デザインナイフ

よく、彫刻刀で彫っている人を見かけます。
家に彫刻刀がある人は、それを使うのも手かもしれませんが、
如何せん、自分はデザインナイフでしか彫ったことがないので、
ここではデザインナイフを挙げておきます。


クラフトツール デザインナイフ 74020
↑自分が使っているデザインナイフです。700円でお釣りがくると思います。
なんと、替刃が30枚もついているので、使っても使ってもなくなりません。
切れ味、扱いやすさ等、カッターの比ではないので、カッターでいいやなんて思わないでください。
(別にカッターをディスってるわけじゃないですよ!)

● カッティングマット

なくてもなんとかなりますが、机を傷つけたくない場合はあった方がよいです。


カッティングマットA4
↑写真がないのでアレですが、自分が使ってるものです。
青地で真ん中に白いのがはさんである感じです。青色好きの人はどうぞ。

● 爪楊枝(つまようじ)

持ってない人は、弁当屋さんで弁当でも買ってください。
デザインナイフでは彫りづらい、細かいピンホールのような彫りを爪楊枝で行います。
目のハイライトなどを入れるときに使ったり、あかつきくんのソーラーパネルであったり。
小さいハンコを彫るなら、必須と言えるでしょう。

● 元の絵

彫りたい絵を用意してください。これがない事には始まりません。
もしPC上にあるのであれば、ハンコサイズに縮小して印刷してください。
あるいは、頑張って縮小模写してください。


ハンコの形を写し取り、直接描いてもかまいません。(写真の絵:日曜ラテさん。)


この時、絵のどこを残すのかを意識しながら絵を意識するようにしてください。
ハンコとして完成したとき、インクの色と紙の色の2色で表現されるため、
影によって映えている絵や、多くの色で表現されている絵などは特に難しいです。
彫り始めは、主に線で構成されているものを彫ることをお勧めします。


(ポケモンより。2つとも原画は日曜ラテさん。)
左側が難しい例、右側が簡単な例です。
どのように色を残していくか考えるのも面白い部分の1つです。

● 1時間〜3時間ほどの集中力と体力

なんだかんだで、疲れます。
特に細かいハンコの場合、目が疲れているとすぐに見えなくなってきます。(歳のせい?)
若干でも疲れを感じているなら、疲れを取ってから彫るか、何回かに分けて彫ってください。
「どこを彫ったのか分からなくなってきた」ら、集中力が黄色信号です。
「どこを彫っているのか分からなくなってきた」ら、目の疲れが黄色信号です。

彫る前の下準備

必要なものが揃ったら、彫り始めまであと一息です。

  1. 元の絵を鉛筆(あるいはシャーペン)でなぞる
  2. 消しゴムに写す
  3. 彫る!
1.元の絵を鉛筆(あるいはシャーペン)でなぞる

予め用意した元の絵に直接、鉛筆かシャーペンでなぞっていきます。
これは後で消しゴムに写すために用いるので、しわくちゃになったりしないように注意してください。
また、しっかりとなぞってください。そうしないと、消しゴムに薄くしか写りません。
なぞり忘れには注意してください。


(ポケモンより。原画:日曜ラテさん。)
↑なぞったところです。見えづらいですが、全部シャーペンでなぞられてます。
つまり、これさえあれば同じハンコが作れますし、失敗しても新しく作り直せます。

2.消しゴムに写す

いよいよ消しゴムに写すときがきました!
消しゴムのどこに写すのか吟味した後、なぞり終わった紙を、そっと消しゴムの上に置いてください。
後は、上からごしごしと爪や置物などを用いてこするだけです。
こすり辛そうな場合は、あらかじめ紙をこすりやすい形に切ったり折ったりしておいてください。
こするときは、紙がずれないようによく注意してください。
もしずれると、彫るときに苦労します。二重に写って、どこを残せばいいのか分かりづらくなるからです・・。
紙をそっと取り除き、綺麗に消しゴムに写っていれば大成功です。

●後で写真を載せる: 消しゴムに写した写真●

3.彫る!

はい。
彫りましょう。
できるだけ明るい場所で彫ってください。
黒い部分を残すように彫ります。


Vの字に黒い部分の淵を彫っていってください。

●後で写真を載せる: 彫り始めの写真●

あまり細かくないけど、あまり広すぎない部分から彫るのをお勧めします。
というのも、いきなり細かい部分を彫り始めに彫るのは少し怖いです。
広い部分も、彫り始めに彫ると、豪快に彫りすぎて黒い部分を切り落としかねません。
「ここはちょっと彫りづらそう」「ここは広いなあ」と感じない部分を直感で選んでください(笑)。

彫る上でのコツと注意点

● 曲線は消しゴム側を回す

丸いものを彫る場合や、曲線を彫る場合は、
デザインナイフはそのままに、消しゴム側を動かすと彫りやすいです。
とはいえ、円形をそのまま彫りきるのは難しいので、何回かに分けて彫るのも手です。

● 刃のどこがどこまで刺さっているのかを見て判断する

刃の先はとがっています。
なので、プスリと消しゴムに刺したとき、どこまで刺さっているかが分かります。
「大体このぐらいかな」と感覚に訴えず、目で見て「彫っているところ」を意識してください。
そうするとミスがある程度防げます。

● 広いところの彫り方

広い部分はどうしてもデザインナイフだと彫るのが大変です。
そこで、自分は次のような方法で彫っています。


(右・下:断面図。)
図でも分かりづらいですが、彫りたい部分に切れ目を段々に入れてから、
反対側からも同様に切れ目を入れて、彫りだす感じです。
このように彫ると、彫りすぎて黒い部分まで彫ってしまったりといったミスが減ります。
また、見栄えも若干よくなります。


上側2つは上記の彫り方で彫ったものです。
下側2つはごりごり彫ったものです。シロンは目の部分を彫りすぎています。
(右下:レジェンズのシロン(ねずっちょ)より。原画はアニメから。他:ポケモンより。原画は日曜ラテさん。)

彫り終わったら

彫り終わったら、スタンプインクをつけて試しにおしてみます。
きっと、「ここは写らなくていい」というような細かい部分や、
「ここはちょっと彫れていない」といった彫り残した部分があることでしょう。
(なければ、終わりです。お疲れ様でした。)
ここから先は、そういった部分を修正してはおしてみて、の繰り返しです。
プログラムでいうデバッグ作業のようなものですね。
満足いくまで頑張って仕上げてください。 :D

プログラムに例えると

  1. 設計 (紙でなぞる)
  2. コーディング (彫る)
  3. デバッグ (おして修正箇所を確認)